令和6年1月29日、
群馬県公社ビル大ホール(群馬県前橋市)にて、
群馬県居住支援講演会「居住支援からはじまるまちづくり
〜住む人も貸す人もご近所さんも安心できるためには?〜」
が開催されました。
当講演会は、
市民協の井上謙一理事が代表を務める「認定NPO法人じゃんけんぽん(群馬県高崎市/前橋市)」の
佐塚昌史副理事長が群馬県居住支援サービス連絡協議会会長として登壇されることもあり、
市民協事務局も会場で拝聴させて頂きました。
次第
1 開会
2 挨拶
群馬県居住支援協議会 会長 白鳥雅和
群馬県居住支援サービス連絡協議会 会長 佐塚昌史
群馬県健康福祉部長 唐木啓介
3 報告
「令和5年度居住支援法人の活動報告等について」
群馬県居住支援サービス連絡協議会 会長 佐塚昌史
4 講演
「居住支援からはじまるまちづくり」
特定非営利活動法人抱撲 理事長 奥田和志様
5 トークセッション
登壇:特定非営利活動法人抱撲 理事長 奥田和志様
群馬県居住支援サービス連絡協議会 会長 佐塚昌史
進行:群馬県居住支援協議会 会長 白鳥雅和
6 閉会
報告「令和5年度居住支援法人の活動報告等について」では、
現状の課題として挙げられたものは、
・制度などにより居住の確保が阻害される
・当座を凌ぐ仕組みがない
・理解が得られず入居が進まない
・居住支援法人単体では対応しきれない
などがありました。
これらの点については、市民協の全国会員からも同様の声があります。
市民協としては、
・目の前の命をどうやって切れ目なく支援するための政策
・社会全体で支えること、つまり、社会包摂の仕組みが必要
と認識しています。
講演「居住支援からはじまるまちづくり」では、
ゴミ屋敷になる要因として挙げられたのは、
その人自身の要因(整頓を求められることがなかった、何らかの障がいがある)だけではなく、
社会的な要因があることを挙げられていました。
居住する場所に、客(人)が来ることにより、整頓がなされる。と言う体験談が語られました。
確かに、住まいがあればそれで良いと言う訳ではありません。
常に小さくとも社会とも繋がっていることで、日常支援だけではなく、緊急時の支援も可能になります。
これまでの年金の考え方にも言及されていました。
老後の暮らしのためには持ち家があることが前提であり、年金に家賃は含まれていない。
つまり、①持ち家(住まい)があり、②貯金があり(中間層)、③家族と暮らしている。ことが前提でした。
実際に、
1980年は、夫婦子供世帯が42%、3世代同居が20%、単身世帯20%がだったものが、
2020年には、単身世帯38%、夫婦子供世帯が25%、3世代同居は7%になっており、
厚労省の予測より10年も早いペースで推移しているとのこと。
さらに、
将来の高齢単身世帯が800万世帯、生涯未婚率30%、友人や近所を頼りたくない日本人の気質など課題は山積みです。
そこで、必要なキーワードは、
「気づき」と「繋ぎ」とのこと。
制度の隙間に入り込んでしまった人を救うのが居住支援の制度であり、
包括的居住支援に必要な7つのポイントを挙げていらっしゃいました。
①ハウスとホームは違う
ハウスレスは、帰る家がない人。
ホームレスは、帰っても出迎えてくれる人がいない人。
②総合的な相談支援
不動産、オーナー、協議会、地域、民生委員、社協などの連携体制が必要。
③3つの安心を支援
入居者、大家、近隣住民の安心できる体制を確保する。
④住居確保と入居支援
空き家活用をサブリースモデル構築によるマッチング
⑤断らない債務保証
債務保証や身元保証を居住支援法人や債務保証会社が担い手に。
⑥日常生活支援
制度以前の居住支援から看取りや葬儀支援までの家族機能を社会化する。
⑦地域参加コーディネート
共生型の地域コーディネートやサードプレイスの確保。
市民協(市民福祉団体全国協議会)も居住支援法人として東京都大田区を中心に活動を続けています。
日々問い合わせや対応があり、「助けてほしい。」と言う声が途切れることはありません。
しかしながら、居住支援法人への補助制度などが複雑で活動の足枷になっている側面もあります。
これからも市民協の全国会員からの声を集め、確実な改善へと繋げていこうと思います。
個別のご意見も承っておりますので、皆さんのご意見を引き続きお寄せください。
この度は誠にありがとうございました。
引き続きよろしくお願いいたします。
井上謙一(認定NPO法人じゃんけんぽん理事長)市民協理事と