本報告書の PDF ファイル版はこちら からダウンロードできます ( 第1章・第2章 )
はじめに
特定非営利活動法人 市民福祉団体全国協議会(以下、市民協)は、全国の福祉系市民団体が、より一層社会に貢献していくためのネットワーク組織です。
私たちの活動の基本は、人が人生の最後まで、どのような状況になろうとも人間らしい生活ができる社会を作り上げる先頭に立つことです。
本事業は、市民協が東京都の地域居住支援モデル事業の趣旨に沿って、低額所得高齢者や障がいのある方、身寄りのない方、ひとり親世帯等、日常の自立生活に不安のある方など賃貸契約が難しい方々に低廉な家賃の住居確保の支援を行ない、入居者に地域の共同リビングやコミュニティカフェに参加してもらい互助の醸成を図ることを目的にしています。
今年度の居住支援については、生活保護者2名、居宅の退去要請者2名の4名の居住支援を行ってきました。
地域コミュニティの互助の醸成については、共同リビングやコミュニティカフェ、地域の居場所等を活用し、居住者がそこに参加して地域との交流を図ることによる健康の維持増進や地域コミュニティの推進を図っていくこと。そのために地域のNPOと連携して本モデル事業を積極的に取り組んできました。
平成30年度は、事業実施地域を昨年度の杉並区、中野区、新宿区に加えて豊島区、大田区を加えて展開してきました。
地域特性としていずれの区も住宅街と商店街を中心とした都市型の地域であり、空き家(空き室)については、それなりに物件の紹介が多くあるが新耐震基準を満たしていない物件が多く、モデル事業の基準にそぐわず、居住候補の選定に時間を要すことが多々見受けられました。
地域の「共同リビング」は、昨年度開設した杉並区和田地域の「和田ほっとカフェ」と新宿区の落合地域の「北原橋カフェ」に対しては、引き続き運営支援を行ってきました。また、今年度は豊島区の椎名町地域で共同リビング「にこにこ食堂」を立ち上げることができましたが、大田区においては共同リビング開設にむけて準備打合せにとどまり残念ながら年度末までに立ち上げることができませんでした。
このモデル事業は今年度で終了しますが、この成果を次年度以降も維持・成長させ、この補助事業だけで終わることなく、継続した事業展開を図り地域居住支援を発展させていきたいと考えています。
第1章 事業概要
1. 事業方針・取り組みの特徴(実施地域・対象など)
特定非営利活動法人市民福祉団体全国協議会(以下、市民協)が責任を持ち、地元NPOと連携をして、入居困難者に対する居住支援ならびに、見守り・生活支援等をはじめ、先駆的事例から学ぶ啓発研修会などを実践してきました。
(1) 事業実施地域
昨年度実施地域の杉並区、中野区、新宿区に豊島区と大田区を加えた 5 区を事業エリアとして事業展開
(2) 事業対象者
低額所得の高齢者・障害のある方・身寄りのない方・ひとり親世帯等・その他(引きこもりの青年たち等)
2. 事業実施体制
・事務局長:事業企画・運営
・スタッフ構成
- 常 勤
- 総務・経理業務・モデル事業事務全般・企画業務全般
- 非常勤
- 居住支援総合相談・不動産コンサルタント
- 住まいと生活の相談
- 地域活動(人材育成)コーディネート
第2章 事業実施報告
NPO 法人介護者サポートネットワークセンター・アラジン(以下、アラジン)ならびに地域のボランティア組織や地域住民、社会福祉協議会、地域包括支援センターなどの協力を得て地域居住支援モデル事業展開を図ってきました。
1. 住まいの確保
(1) 相談拠点の設置と相談体制
- 昨年度から新宿1丁目事務所内相談室にて電話・対面相談業務を実施
- 週1回毎週火曜日に開催(電話&対面相談)11:00~16:00
- 相談体制:不動産業務に明るく、生活相談、居住支援、就労支援等の相談員と社会福祉士の2名体制で相談対応。
- おもに住まいについての相談が中心(新宿区、杉並区、中野区、豊島区、大田区)
※ 相談電話 164 件 相談室面接 2 件 現地面接 87 件 合計 253 件
以降、全文は 本報告書の PDF ファイル版 にてご確認ください。