第251回社会保障審議会介護給付費分科会の開催に合わせ、
12/18、第331回民間介護事業推進委員会が開催され、
とよしま代表理事が同委員会委員として参加し、
以下の意見具申を行いました。

【資料】
令和8年度介護報酬改定に関する審議報告(案)への意見
【意見】
1、新たな処遇改善加算について
これまで対象外だった訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援などのサービスも、新たに処遇改善加算の対象に加わることは評価できる。
依然として、介護事業従事者の平均給与は全業種と比較して8万円も低く、
また、2020年と比較した物価指数は123に上昇するのに対して、介護報酬は109までしか対応できていない。
これを解消するために、更なる処遇改善がされるのは歓迎すべきことであると思う。
しかしながら、所得を暫定的に増やすというこの処遇改善という制度はいつまで続けるのか。
暫定制度であるならば、いつかは終わるのではと事業者は考えてしまうし、本来は介護報酬自体を底上げすれば良いのではないか。
勿論良い面もあるが、職場改善などの条件付きでないと取得できず、制度が一本化されたとは言え、
取得するための作業は煩雑であり、コストをかけないと取得できないのでは、支給額をコストで相殺してしまうことになりかねない。
また、市民協はNPOを中心とした非営利セクターなので、資本や本部利益を追求せず、
支援に関わる方にこそ支給するようになっている。営利事業者の場合、本部経費や利益が差し引かれ、
本当に従事者の給与改善のために支払われているのだろうか。
このまま処遇改善を続けても、砂に水を撒くことになるのではないかと危惧している。
個人的には、事業者から源泉徴収簿を提出させ、比較することで本当に従事者に支払われているか判断するなどの対応が必要だと思う。
2、基準費用額(食費)の見直しについて
2020年と比べて物価指数が123に対して、介護保険報酬は109とその伸びに追い付いていない。
いつもその手当ては遅く、各事業者は地元農家から大量の米を買い付けることで調達コストを抑えるなど工夫を強いられている。
しかし、よく考えれば、その農家も市場に流通させれば真っ当な利益が得られたものを、
地元で繋がりのある人に卸すことで本来得られる利益を得ることができなくなっているのではないだろうか。
つまり、経済の循環が起きていない。とも言える。
数年遅れる(事業者に我慢を強いる)のではなく、全ての調達費が高騰しているが、
せめて食費に関しては物価スライドなど臨機応変に対応できる仕組みが必要だと思う。
【参考】
第251回給付費分科会の資料はこちらからご覧になれます。
> 第251回社会保障審議会介護給付費分科会
> https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67582.html
なお、この資料は、
令和8年度(2026年度)の介護報酬改定に向けた審議報告の案であり、
深刻な人材不足を背景とした「介護職員等の処遇改善(賃上げ)」と、
物価高騰に対応するための「食費の基準費用額の見直し」があり、要点は以下の通りです。
1. 介護職員等の処遇改善
介護人材の確保を喫緊の課題とし、他職種と遜色のない賃金水準を目指すための具体的な方針が示されています。
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施行時期の特例
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通常は4月施行ですが、令和7年度補正予算による緊急的な賃上げ支援とのつながりを考慮し、令和8年6月施行とすることが適当とされています 。
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対象職種・サービスの拡大
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介護職員だけでなく、人材不足が深刻な介護支援専門員(ケアマネジャー)等の専門職も新たに処遇改善の対象に含める方針です 。
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これまで対象外だった訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援などのサービスも、新たに処遇改善加算の対象に加わります 。
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加算の拡充と算定要件
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既存の「介護職員等処遇改善加算」を拡充します 。
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持続的な賃上げに向け、生産性向上や協働化(事業所間の連携など)に取り組む事業所に対し、加算率を上乗せする仕組みを設けます 。
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同時に、事務負担を軽減するための配慮措置も検討されます 。
2. 基準費用額(食費)の見直し
施設入所者の負担に関わる「基準費用額」について、実態に合わせた調整が行われます。
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背景と対応
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近年の食材料費の高騰により、施設における実際の食費平均が、現行の基準費用額を上回っている実態があります 。
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在宅で生活する方との公平性や利用者への影響を考慮しつつ、食費の基準費用額を引き上げる方向で必要な対応を行います 。
3. 今後の展望(令和9年度以降)
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令和8年度の措置状況を把握した上で、さらなる事務負担軽減や、持続的な賃上げに向けた考え方の整理を継続します 。
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制度全体の課題として、サービスの適正化・重点化や、保険料・利用者負担のあり方についても引き続き検討が必要とされています 。
<民間介護事業推進委員会について>
当団体らの声がけから始まった仕組みで、
厚生労働省による介護保険サービスに関する
関係団体懇談会として開かれ、
介護保険制度・報酬改定関係の意見具申などを行なっており、
当団体を含む以下の民間介護事業7団体で構成されています。
・社会福祉法人全国社会福祉協議会地域福祉推進委員会
・JA高齢者福祉ネットワーク
・一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構
・一般社団法人日本在宅介護協会
・一般社団法人「民間事業者の質を高める」全国介護事業者協議会
・一般社団法人シルバーサービス振興会
・認定NPO法人市民福祉団体全国協議会
認定NPO法人市民福祉団体全国協議会(市民協)は、
一般社団法人シルバーサービス振興会にも所属しており、
上記委員会の委員として参加しています。