【会員訪問】オレンジコープ/社会福祉法人野のはな(大阪府)

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先日開催された「リーダーズ研修2025in大阪」の2日目において、オレンジコープおよび社会福祉法人野のはなの各施設を訪問し、見学ツアーを実施いたしました。

当日は、オレンジコープ理事長であり、長年地域の福祉を牽引してこられた笠原優さんにご案内いただきました。1,000人の高齢者と400人の障がい者が共に暮らす、究極のエコシステムの一端をレポートします。

オレンジコープ/野のはな 見学レポート

1. サービス付き高齢者向け住宅「おひさま熊取」

最初に訪問したのは、熊取町にある「おひさま熊取」です。地上6階建て全92戸のこの住宅は、「施設ではなく住宅」という考え方が徹底されています。

印象的だったのは、建物に施錠をせず、入居者の出入りが24時間自由であること。また、食事の材料カットを障がい者就労(B型作業所)のメンバーが担うなど、グループ内での連携が自然な形で行われていました。

2. 介護付き有料老人ホーム「みのり貝塚」

続いて、貝塚市の「みのり貝塚」を見学しました。こちらも施錠は行わず、個人の自由が尊重されています。食事を食堂で摂るか、自室で摂るか、あるいは外食にするかさえも入居者の自由。重度の方も受け入れながら、尊厳を守る暮らしの場が実現されていました。

3. 就労継続支援B型事業所「ガマダシモン/マシュウおじさん」

「みのり貝塚」の向かいにあるのが、野菜加工工場の「ガマダシモン」とカフェ「マシュウおじさん」です。ここではグループの農園で採れた野菜を加工し、各施設の食事として提供しています。働くメンバーたちが明るく、「生きがい」について語ってくれた姿が非常に印象的でした。

4. 森の小径/ハーモニーファーム野のはな

昼食交流会を兼ねて訪れたのは、山間部の廃墟跡を再開発したエリアです。本格的なイタリアンレストラン「森の小径」には、西日本最大級の室内馬場が併設されており、馬を眺めながら食事が楽しめます。

ここでは障がいを持つ方々が庭の手入れや無農薬野菜の栽培、レストランの接客など、多岐にわたる職種で活躍しています。まさに、地域に新たな価値と雇用を生み出している場所でした。

今回の見学を通じ、「制度に合わせて事業を作るのではなく、本当にやりたいことを実現する」という笠原理事長の強い信念に触れ、参加者一同、大きな刺激を受けました。

この度は貴重なご案内をいただき、誠にありがとうございました。


【市民協会員】オレンジコープ(泉南生活協同組合)理事長 笠原 優 氏

事業内容: 高齢者福祉事業(住宅・介護)、障がい者福祉事業(就労支援・グループホーム)他

所在地: 大阪府泉南郡熊取町・貝塚市・阪南市 他

URL: http://www.orangecoop.jp/

主な沿革

オレンジコープ(泉南生活協同組合)は、大阪南部と和歌山市を中心に、「暮らしに必要なものは自分たちで作る」という生協の精神から、高齢者や障がい者の福祉事業をスタートさせました。

2003年には、生協が寄付した土地を基本財産として「社会福祉法人野のはな」を設立。以来、高齢者が入居する住宅の清掃や食事作り、庭の手入れなどを障がい者が担うという、互いのニーズが補完し合う独自のエコシステムを構築してきました。

「どんなに重い障がいがあっても、認知症であっても、一人の人間として普通に暮らせる社会」を目指し、現在では1,000人の高齢者と400人の障がい者就労を支える広大なコミュニティへと発展しています。


市民協 事務局

私たちは、地域での助け合い・支え合い(インフォーマル)を重視し、優しい福祉のある地域共生社会づくりを推進する介護・福祉事業者のための全国協議会です。


市民協 事務局

私たちは、地域での助け合い・支え合い(インフォーマル)を重視し、
優しい福祉のある地域共生社会づくりを推進する
介護・福祉事業者のための全国協議会です(略称、市民協(しみんきょう))

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