【10/9】シルバーサービス振興会月例研究会に参加しました

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令和6年10月9日、
TKP秋葉原カンファレンスセンター(カンファレンスルーム2A)にて、
「第318回 シルバーサービス振興会 月例研究会」の開催があり参加しました

講演1
● テーマ : 「デジタルヘルスの最前線:シリコンバレーからの洞察と日本への示唆」
● 講 師 : 川邉万希子 氏(SOMPO Digital Lab Silicon Valley, Senior Researcher/東北大学 未来型医療創造卓越大学院プログラム特任教授(客員))松下 知己 氏
受講メモ
1、シリコンバレーとは
1970年代から多くのイノベーション企業を生み出してきた(近年ではGAFA)
2、日米ヘルスケア事情の違いとスタートアップエコシステム
日本の保険適応範囲は広く高負担軽減もある。米国には皆保険はない
スタートアップによるエコシステムには投資回収までの成長ステップがある
3、米国でのデジタルヘルス最新動向
市場規模は拡大を続けている。ヘルスケア関連投資のうち1/4がAI企業
グローバルトレンドは以下の通り
・PHR/EFRを用いたデータ化:健康状態のベンチマーク ※PHR(パーソナルヘルスレコード)/EHR(電子健康記録)
・AIによる最適化:ケアの質と効率を向上
・医療機関からコミュニティへ:人の手を使わないケアへ
・コンシューマ化:専門家のみで使われていた製品・サービスが一般消費者へ
・行動変容の促進:パーソナライゼーションによる慢性疾患管理の支援
・健康長寿のためのサービス:高齢化を背景に「長寿」を最適化するための新しいツールが登場
ビックテックがヘルスケア及びウェルネスに焦点を当てたビジネスを開発
・Amazon:バーチャル初期診療、バーチャル専門医、ホワイトラベル遠隔医療プラットフォーム
・Google:ビッグヘルスデータ、遺伝子バイオテクノロジー
・Microsoft:企業向けAIツール、OpenAI/Nuanceへの投資(197億ドル)
・NVIDIA:ハードウェア、スマートホスピタルの未来
4、日本への示唆
世界保健機関(WHO)と世界経済フォーラム(WEF)はAIの誤った導入やデータセットの偏り等のリスクを警告
・アクセシビリティ:経済性やリテラシーによるアクセス阻害防止、高齢者向けの設計が必要
・同意:透明性の確保、人間による監督、個別ニーズを考慮
・データ:誤った医療記録が学習された場合の懸念、データ悪用の懸念
・価値:人間と置き換えるのではなく社会的感情的維持が重要
5、質疑応答
・ニチイ:ウェルビーイングとのこと職員対応は?
→米国では福利厚生も発達。企業価値に直結。家族介護者のためのサービスなどがある
・市民協:介護離職に関するAI活用の米国事例は?
→ビジネスケアラーに関するものはある。若い世代が高齢者を支援するアプリがある

講演2
● テーマ : 「日本における医療・介護分野のDXの動向」
● 講 師 : 株式会社三菱総合研究所 医療・介護 DX 本部長
受講メモ
1、介護保険制度を取り巻く環境
社会保障費増大により制度の持続性が危ぶまれており、提供体制の確保と国民の費用負担が必要
2005年→2040年には人口0.7倍に対してサービス量は1.7倍。2040年には57万人不足。
需要の伸び抑制、1人あたり提供量の向上、DX等による継続的改善
2、医療介護DXが目指すもの
・公的サービスの利便性向上・業務効率化(オペレーション最小化)
・制度間・多職種間のシームレスな連携による公的サービスの質の向上
・データ活用による公的サービスの質の向上サイクルの短縮
・医療・介護に要する公的な直接費用・間接費用の伸びの抑制
・公的サービスを補う民間サービス市場の創出
3、介護DX(介護情報基盤)とは
全国医療情報プラットフォーム:電子的な情報のやり取りが可能に
介護DX:業務負担軽減と経費削減の短期的効果、制度の持続性向上の長期的効果
・介護保険被保険者証の電子化:手間や費用の軽減
・要介護認定事務の電子化:手間の軽減、期間の短縮
・LIFE情報・ケアプラン・履歴/上限額の電子化:手間の軽減、連携の強化
4、介護DXに適応していくために
デジタル技術の活用が不可欠。PDCAで組織内へ定着させる。
・業務負担軽減のた目の継続的改善:課題の可視化。ロボット・デジタルの活用。定量評価
・介護サービスの質の向上のための継続的改善:共通の目標を共有。LIFEの活用。職員間で多視点での共有(IPW)
5、質疑応答
・市民協:IPWにはIPEが必要。仕組みの話ばかりで仕組みを支えるための仕組みは無いのか
→良い仕組みはきちんと必要なものを引き継ぎたい
・小山:DXのメインはマイナ保険証だけのような議論。電子カルテ情報と介護事業者情報が結びつかない
→認識はしている。 パブリックメディカルハブによって1つのIDで共有される
・振興会:情報とデータの違いを理解しているのか。無駄なことをさせず意味あること、どれだけの価値があるか見える化して欲しい(意見)


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