2015年度老人保健事業推進費等補助金の事業報告書掲載

「地域における住民参加型生活支援サービスの創出および重層的な提供を促進する中間支援組織の強化・普及に関する調査研究事業」報告書掲載

本編

報告書本編

資料編

資料編

は じ め に

 

平成27年度から始まる第6期の介護保険制度の改正においては、地域支援事業の強化が図られることになっているが、その一環として、協議体の設置や生活支援コーディネーターの配置とならんで、市町村の事業として新しい介護予防・日常生活支援総合事業の位置づけがなされた。総合事業のガイドラインによると、1)多様な生活支援の充実、2)高齢者の社会参加と地域における支え合いの体制づくり、3)介護予防の推進、4)市町村、住民等の関係者間における意識の共有(規範的統合)、5)認知症施策の推進、6)共生社会の推進があげられている。

 

市民福祉団体全国協議会(以下、市民協)は、市民参加による生活支援サービスの推進に向けて、全国移動サービスネットワーク(以下、全国移動ネット)、全国老人給食協力会(以下、全老協)他の中間支援組織と連携しながら、生活支援サービスを提供している活動団体間の情報の共有化とそれら活動団体の実践を通じて把握されるサービスのニーズや課題にもとづく政策提言活動に取り組んできた。

この度の調査研究では、市民協が構築してきた全国の活動団体や中間支援組織とのネットワークを活用しつつ、地域の住民・市民がボランティア等としてサービス提供に関わる共助型・互助型の生活支援サービスの創出・充実がさらに必要であるという視点のもとに、市民参加による介護保険外の「高齢者への日常生活支援」提供の現状と課題を把握するためのアンケート調査、協議体や生活支援コーディネーターへの支援が期待される中間支援組織に対するアンケート調査とヒアリング調査、並びに県・市・社会福祉協議会他関係機関に対するヒアリング調査を実施した。

さらに、これら各種調査からの成果にもとづき、協議体の形成支援を目的に長野県および愛知県にて自治体、地域包括支援センター等の関係機関や市民団体のリーダーを主な対象とした研修を開催し、東京都では中間支援組織を主な対象とした研修会を開催した。

 

これら一連の調査と研修会を通じて、各市町村において総合事業を推進するうえでのポイントが明らかになった。まず、「生活支援サービス」には様々な支援が含まれるが、今回の介護保険の改正にともなって新たに創出が求められる「生活支援サービス」は、介護保険サービスと同様に実施頻度が高く、その実施に一定の専門的な知識や技能を要すると同時に、その提供が地域活動やボランティア活動と同様の市民参加によって行われるタイプであるという点である。次に、そのようなタイプの「生活支援サービス」を創出していくためには、市町村において、介護保険、地域福祉、まちづくり、市民協働などに関わる多様な部局を横断する、既存の介護保険や地域福祉のスキームよりも守備範囲の広い「協議体」を構成することが必要であるという点である。

本報告書は、市民参加による一定の専門性を備えた頻度の高い生活支援サービスの創出と、守備範囲の広い協議体の設置への支援にむけて、各種サービスに関する専門的な知識やスキルの支援に強みをもつ領域特定型中間支援組織と、ボランティア参加や幅広い市民協働の促進に強みをもつ一般型中間支援組織とが果たす役割を検討した成果である。本報告書を自治体や関係機関の担当者が活用することで、各地で市民参加による生活支援サービスが広がる際の一助になればと願う。

 

平成27年3月

「地域における住民参加型生活支援サービスの創出および重層的な提供を促進する中間支援組織の強化・普及に関する調査研究事業」調査研究委員会 委員長 高木郁朗

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2015年4月8日